パソコンパーツ等の物理面での工夫で高速化を図る方法です。
極端な話をしてしまえば、大枚をはたいてパソコン自体を最新鋭のものに買い替えてしまえば、
デスクトップパソコンであろうが、ノートパソコンであろうが、ほぼ今どきの物でしたらWindows10くらい快適に動きます。
が、ここは、あえてその一撃で解消してしまう荒業は置いておいて、細かなパーツの入れ替えなどでの高速化を図りましょう。
ハードウェア面でのチューニングで一番劇的に効果が出るといったらこれです。
本体の、OSの入っているストレージがハードディスクの場合は、SSDに換える、これだけでWindowsの動作が劇的に早くなります。
SSDには、接続方式により大きくはふたつ、SATA接続のものと、NVMe接続のものがありますが、これらはハードディスクと比べて読み書きが爆速で、SATA接続SSDでだいたいハードディスクの最大10倍近く、NMVe接続に至っては最高で100倍以上の読み書き速度を誇ります。
この速度の違いは、特にOSの動作に顕著に表れるもので、OSを入れるストレージをハードディスクからSSDにするだけで、だいたいハードディスク時代ではWindows10の起動からネットサーフィンとか作業をできるようになるまでに2分くらいかかるものがザラですが、SSDにOSをインストールすると、起動して作業できるようになるまで10秒~20秒ほど、なんてこともザラです。
SSDの方がハードディスクよりはやや高価ですが、それでも容量の小さな、最低限OSが入ればよいサイズの、64GBや128GBなど、1000円~2000円ほどで売っています。
デスクトップパソコンなどは、ストレージを2台以上積めるように作られていることがほとんどですので、SSDにOSを入れて、データ保存はほとんどハードディスクにすれば、大したコストをかけずに爆速環境が手に入ります。
ノートパソコンの場合は、残念ながら2台目のストレージを積めないことも多いですので、少し値は張りますが、もっと容量の大きなSSDを買って搭載するか、容量の小さなSSDを積みつつ、データ保存はSDカードなどにまかせる、という手法もありですね。
ド定番にしてかなり効果的な対処方法、
物理メモリを増設する
という方法です。
昨今のOSは様々な作業がマルチタスクでこなせて優秀な反面、複数の作業中にあっという間にメモリを食いつぶしてしまうことも多々。
ソフトウェア面で解説しましたように、仮想メモリを増やせばもちろんある程度は快適化できるのですが、仮想メモリはハードディスクやSSDの一部を割り当てているに過ぎず、物理メモリのアクセス速度には遠く及ばないものです。
昨今のパソコンは、よほどの超小型パソコンとかでない限りは、デスクトップ、ノート問わず、メモリの増設は容易なものです。
一時期流行った安価で売られているお値打ちノートパソコンなどでは、メモリが4GBというのが流行っていましたが、
Windows10の重さを考えると、できれば8GB以上の物理メモリは欲しいものです。
※一時ブームになったWindowsタブレットのメモリ2GBなどはかなり動画が厳しいです
だいたい今のパソコンに4GBメモリ1本が刺さっているのならば、もうひとつ、同じメモリ規格の4GBのものとか買えばよいわけで、DDR3、DDR4あたりのメモリは、今どきAmazon等で手軽に買えて、4GBなら1000円~1500円くらいで買えます。
これで、メインメモリが4GB→8GBになると、快適さが段違いです。
一番この4GBから8GBへの増設がメモリの増えた時の快適さの実感が湧きますね。
他の方法に比べるとやや値が張る対処法になりますが、ゲームや動画編集とかもやりたいけどなんかPCが重くって、なんて方には特に効果が出やすい方法で、
グラボ(後付けの単体のもの)を買って取り付ける
という方法です。
グラボとは、グラフィックボードの略で、描画などの画像処理専門に作られた頭脳にあたるGPUと、その処理時にかかる負荷を専門に担当するグラフィックメモリを積んだユニットになります。
たいていがデスクトップパソコンのケース内部にあるマザーボードに搭載されている差し込み口、PCIexpressという口に差して、場合によっては電源の供給も必要で別途ケースの電源についている補助電源用コードも接続すると簡単に取り付けできて機能するようになります。
このグラボを取り付けるメリットは、なにより圧倒的に画面の描画に関わる部分の処理が早くなります。
ゲームやらんから関係ない、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、普通にWindowsを使っているだけでも、ウインドウの切り替えやら、ソフトの立ち上げ、終了、また新たな作業など、なにかをするたびに頻繁に画面も書き換えられているわけで、実はそうしたひとつひとつも画像処理が行われているわけでして、別途グラボを積んでいない場合は、CPUの中に内蔵されているGPUが担当、さらにメインメモリの中からグラフィックメモリも占有して処理を行います。
ですので、そもそも低性能でWindowsの動きが重いPCでは、この部分も結構ボトルネックになっていることがあります。
そこをグラボを積むだけで、CPUの一部負荷を軽減でき、さらに、メインメモリも、グラフィック関連に使用していた分はグラボ内のグラフィックメモリが担当してくれますので軽減され、そして画面描画などは専用GPUの方がほとんどの場合で優れていますので、色んなシーンでの画面描画がなめらか、高速になります。
こうした感じで、メリットも多いのですが、難点としては、最近のCPUはかなり内蔵GPUの性能も上がってきているため、それを上回る、搭載するだけのメリットのあるグラボを積むとなると、そこそこ値が張る、というのがあります。
前述の、SSD搭載やメモリ増設は、1000円~3000円くらいの投資でかなりわかりやすい効果が出る部分でしたが、
グラボですと、そこそこよい性能のものを考えたら、仮に中古等でも安くて2万円~になってしまいます。
もちろん、PC自体が古く、CPUもWindows10が動くギリギリのCeleronなんで、とかですと、中古の3000円くらいのグラボを差しても改善する場合もありますが。